絶対音感の一つの側面はピッチ記憶が長期的に定着していることです。
受動的絶対音感(PPP)でも能動的絶対音感(APP)でも、自分の中にピッチが定着していないと、参照音なしに音がわかったり、パッと歌い始めたりは出来ません。
以前は大人の絶対音感習得は難しいとされてきました。
試してみたけれどうまく行かない、という人も多かったようです。
繰り返し聴きさえすれば覚えられそうなのに、なかなか覚えられない、再生できない。
なので絶対音感は「記憶」ではない(?)みたいな意見もあったようです。
ですが、やはり記憶の側面も強いと思います。
覚え方のコツはあります。
キーワードは「リラックス」。
覚えたいピッチをロングトーンで鳴らし、音が消えてからも頭の中でしばらく再生します。
これ自体はもちろん短期記憶。
この作業をリラックスして何度かやります。
これが一番シンプルです。
長期記憶にするには繰り返しは必要です。
必要な繰り返しの量には個人差も大きいです。
ピッチそのものをじっくり味わうような感じで聴きます。
ピッチそのものの雰囲気、感じをクローマとかピッチカラーと言ったりしますが(どちらも「色」としてピッチを表現)、色ではなく質感でも味でも、置き換えられそうな感じがあればそれと一緒に覚えるのも手です。
ただ、共感覚的なクローマは全く感じずに、音を音として認識する人も多いので、無理に感じようとしなくても大丈夫です。
絶対音感という言葉の持つイメージで何だか凄そうな特殊能力みたいに思われがちですが、目が見えて色彩の区別がつく人が赤色のものを見れば赤に見える、というのと同じくらい「自然な識別力+識別したものの記憶」だと思います。
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